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助成団体紹介:熊本県ひとり親社会福祉協議会①

2022.04.19

※当助成団体紹介は、緊急支援事業における「新型コロナウイルス禍対策くまもと命を守る基金 社会的弱者自立支援事業」2021年度実施事業となります。

「生理の貧困」について、メディアで時折取り上げられるようになりました。

生理の貧困とは、何らかの理由により生理用品が買えないことです。

・経済的理由

・場合によっては保護者からのネグレクト

・保護者の無理解など、

理由は様々です。

生理用品と一言で言っても、人によって必要なものは様々です。ナプキンやタンポン、ショーツ、人によっては痛みを和らげるための薬やホッカイロなど。一つ一つは手の届かない金額ではありませんが、毎月の消耗品に数百円〜数千円を捻出するのは苦しいこともあります。

また、生理痛が激しい時に仕事を休まざるを得なくなれば、収入に影響が出る人もいます。切迫した経済状況の中で、毎月の生理にかかる費用を削りたいと考える人は少なくありません。

コロナ禍で、女性のひとり親の完全失業率は増加しました。女性の貧困が深刻化している中、生理の貧困に少しずつ目が向けられ、ここ熊本でも、熊本県ひとり親社会福祉協議会さんがひとり親の世帯へ生理ナプキンを配布しました。一部の地域で、ナプキンを配布したことがありましたが、県全域で配布をしたのはこれが初めてです。県全域で600パック以上を用意しました。

通常は、食材中心に配布しており、収入が減って支出の増えているコロナ禍で、生理用品を配布するという考えは当初はありませんでした。ナプキンの配布は、メディアからの情報、そして支援者の方は物資を協議会の会館に受け取りに来られる際「ナプキンは助かる、喜ばれる」という話があがっていたことが大きなきっかけでした。

男性である事務局長の中原敬喜さんは、ナプキンを配布することについてどのように受け止めておられるかをお聞きしました。

「月に1000円程度の支出が負担になっていることは、支援員の方や職員から聞いていました。必ず使うものですから、それは対応したいと協議会で配布を決めたその日に、たまたま厚生労働省のサイトでも大きく取り上げられており、実情がより伝わってきました。」

男性には、生理もそれに付随する様々な事態も、よく分からないことだと思います。ナプキンに困ったことがない女性にも実感が湧かない課題かもしれません。しかし、垣根を超えて理解することで、一人ひとりの困りごとを解決するための輪が広がります。

「物質的な繋がりだけではなく『困ったら相談してね』というメッセージを込めています。」と藤井宥貴子会長は言います。ナプキンをきっかけにして見える、その奥の困りごとを解決したいという思いです。

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