木陰から差し込む木漏れ日

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助成団体紹介:球磨川流域保林グループ①

2024.03.30

「豊かで災害に強いふるさとの森づくり基金」助成団体紹介:球磨川流域保林グループ

2024.03.30

八代市坂本町における多間伐施業のモデル林づくり事業。
 

「球磨川流域保林グループ」は、以前から林業に関わってきた個人が結成した団体です。これまで坂本町で多間伐施業ができる山を探してきましたが、まとまった林地を見つけることができず、従来の林業を続けてきたそうです。水害を経て、力を合わせて持続可能な林業に取り組むことを始めた団体です。

坂本町は近年急激に過疎化が進み、熊本県内でも高い高齢化率となっています。特に令和2年の水害後の人口減少は凄まじく、それとともに山林整備の放棄も増えています。

水害時の山の崩落や間伐放棄された人工林を見て、今までの林業の在り方に疑問を持ち、令和5年1月から山江村で開催された自伐型林業研修会を受講し、災害に強い森・道づくりの必要性を強く感じてこのグループを結成したそうです。

令和2年豪雨時の河川氾濫は、山から大量の土砂が来たという住民の証言もあり、当法人が取材に行った際にも、手入れが放棄された山や皆伐された山、写真のように災害が助長される道づくりが、目立っていました。

 

山林整備の放棄や皆伐が増えている原因には様々な要因があり、自分の山で施業を実施してもいいという山林所有者と施行者が上手くマッチされないことや、資金不足や収益性が望めないことから、具体的な計画が進められないのが課題となっているそうです。


今回実行されている「多間伐施業を行う自伐型林業」は、ユンボと小さな機械で行う小さな林業経営で、上記の課題に取り組め、壊れない道づくりとしても、全国で注目され始めている林業スタイルです。

坂本町でモデル林ができれば、高齢化によって自分で施業を諦めていた山林所有者が施業したり、荒れる一方の所有林を持つ所有者が、「球磨川流域保林グループ」のような多間伐施業の林業を目指す若い事業者へ施業を依頼したり、林業を目指す人たちの坂本町への移住による活性化も生まれるのではないかと豪雨の被災地の復興にも希望が見られます。

下の写真は、これまで光が差し込んでいなかった林に、本事業の実行で間伐と自伐道が延び、光が差し込んでいる様子です。

まるで希望の光が、暗い森に差し込んでいるかのようです。


「私たちは、小さなグループですが、下流の坂本町で多様な生態系を持ちつつも、災害にも強い道づくり・森づくりを坂本町から発信していきたいと考えています。一つでも多くの皆伐を減らして未来につながる山、森作りをしていきたいです。」と、球磨川流域保グループ代表の猿渡俊介さんは語っていました。
 
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一般財団法人くまもとSDGs推進財団で推進しているSDGs目標11「#住み続けられるまちづくりを」&15「#陸の豊かさも守ろう」の取り組み『#豊かな災害にも強い森づくり基金』

※引き続き、二次助成に向けて寄付募集は継続中ですので、現場の活動者をどうぞ今後もご支援お願いいたします。

https://congrant.com/project/kumamoto/8893


 

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