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【助成団体紹介:凸凹ライフデザイン】

2022.04.19

平時から社会的に困難を抱える人ほど、コロナ禍で更にそれが深刻になる状況があります。

発達障害や精神障害に限らず、ひとり親や女性、子ども、失業者、貧困の中にいる人など、平時から社会生活において課題を抱える人が、コロナ禍で更に追い詰められています。幼い頃から疎外感を感じていたり人と通じ合わない孤独感を感じているところに、社会的経済的困難に直面した場合、傍目には些細にも見えることがトリガーとなり、自死につながるという事例もあります。

発達障害を持つ方を対象に支援活動をしている凸凹ライフデザインさんは、このコロナ禍において平時と質の違う支援も行っています。

凸凹ライフデザインが主催した自死を防ぐための『ゲートキーパー』のオンライン講座を覗かせていただきました。発達障害や精神障害を抱える当事者の方々や、ご家族、支援者など、20名を超える方が参加されました。

この講座では、死にたいというメッセージを受け取った時に、どんな言葉をかけられるか、どんな行動に繋げると良いか、どのように受け止めたらいいかを学びました。

ゲストは、NPO法人KP5000の原田文子さん、一般社団法人minoriの高木聡史さんです。

学びの内容を一部ご紹介します。

・自殺に対するサインへの感度を上げる。危険度を理解する。

・ジャッジせず、その人のストーリーを共有してもらい、理解する。

・理解したうえで、「私はこう思う」を伝える。

・解決ができるわけではないが一緒に乗り越えたいということを、根気強く伝える。

・必要に応じて、適切な機関と連携を取れるようにしておく。

・時には厳しい言葉をかけられたり、辛くあたられることもある。だからこそ、ゲートキーパーを支え合う体制が必要。

・対応の手を尽くしても、自死を防げないこともある。100できないことに罪悪感を感じる必要はない。60,70,80でいいと理解しておく。

など。

専門家お二人のお話を聞き、参加者からはこんな質問がぞくぞくと。

・自殺行為や自傷行為を繰り返しがちな人への対応はどうしたらいいか

・判断せずに話を聞くのは難しいと感じるが、どのような言葉に判断のニュアンスが含まれるか?

・死にたいほど苦しい人に向けた「生きてほしい」というメッセージは、相手を追い詰めてしまうのではないだろうか。

また、当事者同士で支え合う”ピアサポート”についても話がありました。

・情緒的サポート(話をしたり聞いたりするなど、精神的な支え合い)

・道具サポート(代わりに何かをしてくれる。例えば買い物や留守番など)

・交友的サポート(気分転換をしたり趣味の話をするなど)

・情報的サポート(こんな福祉サービスがあるといった情報)

参加者の方の多くは、発達障害/精神障害を持った当事者の方です。

その中の何名も、当事者同士の友人の中に自死を選びたいほど苦しんでいる人がいたという経験をお持ちで、その時のもどかしさを抱えているようでした。この講座を受けたらゲートキーパーとして活動できるというものではなく、身近な人に手を差し伸べられる一つの手段を持つという意味合いが大きい講座でしたが、すぐに役立てられそうです。

 当事者同士での支え合いの良さも感じました。それは思いを共有できる強み、痛みを察知できる力です。根本的な解決はできなくとも、道が見つかるまで生きる力を持ち続けられたら、そこからまたスタートできます。良い意味で、時間稼ぎが命を救えることがあります。衝動的に自死を選びたくなったとき、専門機関に連絡するよりも友人には伝えようと思う人もいるでしょう。当事者同士の”ピア”ゲートキーパーは大切な砦です。当事者に限らず、この知識やスキルを様々な人が持てれば、その分救われる人も多くなるかもしれません。

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