TOPICS新着情報
球磨川流域での森づくりを考える勉強会(サステナ・フォレスト上映会と現地観察会)を開催
2024.10.14
「豊かで災害に強いふるさとの森づくり基金に基づく助成事業」の実行団体の一つ【風の杜人】が、10月13日に「球磨川流域での森づくりを考える勉強会(サステナ・フォレスト上映会と現地観察会)」を開催しました。
球磨川流域は人工林も自然林も、荒廃対策は急務である、と実行団体も会場の参加者も口を揃えて言われていました。
今回、予想を超える多くの人が集まった会場の反応をみると、球磨川流域は令和2年7月の水害で、山の異変を感じ取られているのではないかと思います。
この「サステナ・フォレスト(監督:川上敬二郎) 」は、現在の森が抱える問題を分かりやすく取り上げたドキュメンタリー映画で、今回が熊本県内では初上映となりました。
森の現状と持続可能な森づくりに尽力する人々の活動を描いてあり、戦後70万人程いた林業従事者は今では4万人程にまで減少、大型機械が導入されるのも仕方がない社会背景もあります。
山から人が消えた森ではイノシシ・鹿が増えており、バランスが崩れた森では天然更新もうまくいかず、体力が衰えているのかナラ枯れも問題になっている。
映画はそのナラ枯れの問題から入り、球磨川流域で起こった令和2年7月豪雨での水害へと移り、災害に強い森づくりを行っている徳島県の自伐林家「橋本光治さん」の森を通じて、災害に強い持続可能な森づくりに焦点が当てられていました。
予告動画 https://www.youtube.com/watch?v=A903C2km5-M
この上映会を勉強会として提案され、映画でも山の現状を解説されていた森林流域管理学を専門とする蔵治光一郎教授が、参加者から寄せられた多くの質問に対して、解説を交えながら説明されたことによってより理解が深まったことが、感想にも表れていると感じます。
映画の感想)
・とてもわかりやすい。みんなにも見て欲しい。
・炭を大事に使いたいと思います。山の姿を見ると手を合わせたくなります。林業の大切さを知りました。
・地球規模で考えなくてはならないテーマですが、どこか自分事で考えていないと気づきました。持続可能な森づくりはとても大切。その担い手作りも課題なのでではと思いました。
・今置かれている林業でのやり方をわかりやすく映像化されていてとても参考になった。
・持続可能性のある林業と言うのは、私も常々意識して仕事に取り組んでいるが、持続可能にするためにはお金を稼ぐと言うところから絶対に逃げられないものだと思う。自爆型林業ならではの稼ぎ方というものがもっと知られたらよかった。
・映画を鑑賞して、私は林業職に貢献できる社会人になりたいと思いました。今は高校生として林業学び、将来について悩んでいたけど、今日の映画を見て林業職に就職する決意がつきました。
・映画を鑑賞して、林業には様々な方法があることを学びました。林業をする事は必ずしも企業に入らなければならないわけではなく、家族など少人数だけでもすることができる産業であることを知りました。
・映画のようになっていけば、希望があるのかもと思いました。国土保全に給料払ってもいいと思います。
・自分の山の参考になりました。
・自然は循環している。大変わかりやすいドキュメンタリーでした。国土の名の7割を占める森林を守り、共に暮らしていく事は、我々日本人60代の人間の次世代の為にも責務であると感じました。
・素晴らしい講演でした。明快な説明でふに落ちました。
・70分の間に課題から新しい動きまでがわかりやすくまとめられていて参考になりました。健全な森づくりのイメージがつくようになりよかったです。自発型が広がるといいですね。
・森で起こっている現状がよくわかりました。また昔ながらの働き方で森林を守っている人もいるのだと言うことに感動しました。今まで気がつかなかったことを知れた思いです。
・森の災害が起こりにくい森づくりをやっていく必要があるのと気を生かす墨作りなど可能性がまだあると思いました。
・地球はみんなで守ることを大切だと思っています。有限であると思いますし次の世代に優しくバトン達できるように
・森林林業の課題を広く捉えてあったと思います。人件費給料が低いのが課題としてありながら、人件費給料を低く抑えるのは少し誤解を招くかと思いました。エネルギーを含めて社会全体が変わっていく必要がありますね。
・林業について、昔ながらの林業を継続していくことを大切に思いました。気を見極めている方々に感謝です。自然を守ると改めて感じます。
第1次産業は、国道を守る大切な仕事持続可能な職業にできればと思いました。楢枯れのことがよくわかりました。
・「楢枯れ」の言葉については初めて知りましたが今後、山林を観察する上でただ木が枯れていると見るのではなくて、これには大きな原因があるのだと言う事そういった視点で今後観察していくことができるとこの会をきっかけに感じることができてうれしいです。
・映画わかりやすく、自主上映会をしたいです。
・山の荒廃の厳しさを思い知らされました。胸が痛みました。同時に希望が持てる取り組みをされている方々がいらっしゃることを知り、自分自身も少しでも自分にできる取り組みができればと思いました。蔵治先生もおっしゃったようにとてもわかりやすくまとめてられていてありがたかったです。蔵治先生のお話によって更に理解と関心が深まりました上映会と講演と言う設定はとても良かったと思います。
そして、場所を移して助成事業で「皆伐後の森林再生」を実行する現場【風の杜】へ
ここは2年前に皆伐されたところですが、2年でかなりの雑木で覆われています。ただ、皆伐時に通した搬出道路のつくり方が森林流水としてひどく、大雨が降る度に崩れる状況にある状況を参加者は目にすることができました。蔵治教授の解説でも、元々崩れやすい土壌に対して法面の切取り嵩が高く、かつ道路幅も4~5mあることが原因と解説を受けながら現場を感じていました。それも、重機の谷側への転落を恐れたのか、山側を低く作ってあるため、山側に水が集中し抉れて側溝のようになっていました。それが、路肩をさらに壊すので、斜面まで崩していくという悪循環を生み出す結果になっています。これをどう直していけばいいのか、現場での検証・解説を受けて、これからの活動を設計する勉強会でした。
実行団体「風の杜人」では、当法人からの助成金で主に重機やチェンソーを使った事業を軸に、同時に助成事業後にもどういう森に戻したいのか、メンバーでイメージを共有しながら、様々な取り組みをされていくことになります。
この皆伐地での取り組みが、皆伐後の森林や荒れた森の再生に住民がどう関わっていけるか、そして地域の活性化につながる方向性などを示すモデル林になっていくのか、私たち財団法人も寄付者からお預かりした寄付金を見守りながらより良い助成活動を伴走していきたいと思います。
今後の風の杜さんの情報発信に注目ください!!!
※豊かで災害に強いふるさとの森づくり基金へのご寄付はこちらから
https://congrant.com/project/kumamoto/8893